見逃しでトップを狙う局面
4巡目で、マンガン聴牌。 トップ目の親とはツモor直撃で逆転です。
①
下家から2sが出ましたが当然見逃します。
②
8巡目に、対面から5sが出ました。
このあたりから、最悪のケースを考慮しなければいけません。
最悪のケース、それは対面への8000放縦と、親へのマンガン放縦の2つ。
この2つは比較的起こりやすいラス落ちのシナリオとして、警戒が必要です。
特に天鳳でラス落ちのマイナスが大きい段位では注意が必要です。
(この局は、ドラの「」によって左右される可能性が高いといえます。)
とはいえ、まだ見逃してトップを追います。
③
次巡、親がドラのダブ東をポンし、一気に状況が厳しくなります。
そんなときに下家から5sが出ました。
ここで、衝動的にアガってしまう人は多そうです。
天鳳高段なら、それも間違いとはいえないでしょう。
ですが、自分の待ちも残り7枚あり、まだアガリは十分あります。
そして、なにより「現状で下位と差がある2着目」というのを忘れてはいけません。
親にマンガンさえ放銃しなければ、同じ2着で終了なのです。
危ない牌を引いたらオリればいいだけなのです。
このことが、実戦ではなかなか見えません。
「いつアガろう?いつアガろう?」と、自分のアガリ決着ありきで考えてしまって、目的を見失いやすいのです。
素点が大きな麻雀ではアガリもありですが、
④
3mは押します。
親の聴牌可能性は、体感的には20%程度、
さらに、ポンして打2m
なので、3巡目の切りから考えると
からのアタマ固定の可能性が高そうです。
ポン時の打牌なので、 24mに5mを引いたケースもありません。
ですから、はさらに当たりにくいと考えられます。
223445東東○○ などからの3m待ちも、レアケースとしてありますので、
天鳳高段なら万全を期してオリも有効かもしれません。1mが早いのでなさそうですが。
⑤
このあたりからは、天鳳高段では押しは損になりつつあると思います。
聴牌率は体感的には30%程度、聴牌時していた場合に当たる確率が20%程度とすると
ややラス落ちのマイナスと1着順上昇の可能性では釣り合わないのではと思います。
ですが、六段配分なので押します。
⑥
成就。
今回のように、当初「勝ち確定」のように見えて、どんどん状況が悪くなっていく場合、
プロスペクト理論にもあるように、
自分の権利と思い込んでいた勝ち(アガリ)の可能性が遠のいていくことが許せず、
アガリたくなる衝動が起こります。
さらに見逃しに成功しても、
今度は状況が悪くなった後でも、さっき我慢した元をとりたくなり、
どこまでも押してしまいやすくなります。
なので、平面で問題を出されたら正解できても、実戦で同じ判断を下すのは相当難しいです。
このような状況は、精神の構造的に、正常な判断が厳しくなりやすいので注意したいところです。