麻雀の統計研究が盛んになり、
これまで優劣不明だった状況で、
どの選択が得なのかが分かるようになってきました。
特に、平面何切るや、平場のオリ判断、リーチ判断などには
ある程度の基準ができたため、雀力向上におおいに役立っています。
これらの基準を有効に使うためには、その前提や限界を知っておく必要があります。
例えば、統計の取り方(母集団・カウント方法)であったり、
統計データそのものの性質などについて知っておく必要があるということです。
統計は、まるでどんなものも分析できる魔法のようなツールに思えますが、
統計はあくまで全体の「傾向」を知るためのツールだという点には注意が必要です。
統計のデータを、現実で活かそうとする場合には、
①現場の状況から分かる、より確実性の高い情報はないか?
②統計データを当てはめられる状況にあるか?
の2点を真っ先に確認することが重要です。
原理的にいえば、全ての現象は唯一無二のものであり、
全く同じ出来事など起こりません。
ですが、着目点を限定し、条件を絞れば、
類似の現象のパターンを見つけることができます。
例
「太陽が一定の周期で動く」
「尿意を催したら小便が出る」
「雲が増えてきたら雨が降る」
「両面リーチは6割上がれる」
このうち、前後の組み合わせパターンがほぼ100%のものを、
「必然」「因果」などとよび、これらを因果関係と呼んでいます。
例のうち上の2つは、因果関係といえるくらい蓋然性が高いため、
わざわざ確率や統計で処理することはありません。
例のうち下2つは、因果関係と呼べるほどには蓋然性が高くありません。
このような場合に将来の可能性を予測するため、統計が使われるのです。
過去の情報からサンプル規定・収集し、統計をとって確率を導き出します。
もっと言えば、どこまでが因果関係で、どこからがそうでないか?
というのは「観察者」の能力によって決まります。
センター試験の4択問題の正答率は、回答がわかる人にとっては100%、
2択に絞れる人にとっては50%、
全くわからない人にとっては25%です。
株が上がるか下がるかの判断も、通常は大多数にとっては50%ですが、
インサイダー情報を知っている人にとってはほとんど100%になります。
いわゆる「神」の視点からいえば、全ては因果関係で説明できるわけです。
ですが、人間の認知力・思考力・その他能力の限界が、
因果関係を把握する限界となって立ち現れているわけです。
あらゆる「上達」には、この限界値を高めていくという要素があります。
麻雀においてもこれは同様で、
(牌に限りがあるため、パターンにも限りがありますが、それでも現時点の人間には無限に思えるパターンが存在します。)
統計データを麻雀のそれぞれの局面に適用する際には、
多かれ少なかれ「ずれ」が生じます。
サンプルに似ている局面であればずれは少なくなり、
サンプルと違う部分が多ければ多いほど、ずれも大きくなります。
現在統計で明らかになっている部分は、
ほんの一部の状況であると認識しておくことが必要です。
毎回個別の状況について、統計に頼る前に分かることがないか?
を一つ一つ丁寧に考える姿勢が重要です。それが、このサイトにあるような「読み」です。
その上で、判断の基準として統計を活かすことができれば鬼に金棒といえましょう。