手出しツモ切りを安易に見抜かせない
信じられないかもしれませんが、「手牌を切る速度」が勝負に直結することがあります。
東風戦開局後、親が2000オールを上がって迎えた東1局①本場。
4sをチーしてマンガンテンパイした局面です。
テンパイして安心してはいけません。
「早く出せ~ツモれ~」などと祈る前にやることがあります。
このテンパイの直後に考え出すべきこと、それは、
この手牌の今後の変化について想定しておくことです。
ツモってから考えていては遅いのです。
それは、平場のように、相手を待たせないように、とかそういったマナー面の意味ではなく、
「2フーロからの手出しは、読まれて和了率を大きく下げる」ので非常に損をするからです。
特に、打点が高い今回のようなケースでは、アガれないことで大きく損をすることになります。
テンパイ後も手牌の変化を想定することの重要性
この手牌の変化を考えてみます。
この手では、ドラとのシャンポン待ち、しかもドラでアガっても点数が変わらないケースのため、
ドラ待ちになっているのはアガりにくい分マイナスです。
マンズを動かしてアガりやすい形にしたいところ。
そこで、真っ先に思い浮かぶのはマンズの両面化です。
つまり、か
をもってきた場合です。
場をみると、6-9m待ちも、5-8m待ちも悪くありません。
現状、これらの牌を引いたら、待ちを変えることになります。
想定するケースはまだ残っています。
か
を引いた場合のカンチャン待ちです。
これらも、待ちが悪くないことから、現状、これらの牌を引いたら、待ちを変えることになります。
もちろん、この後の場況によってどうするかは変わりますので常に考えておかなくてはなりません。
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さて、ここからが、この記事の核心となります。
上記の待ち変えをした場合、他家からどう見えるでしょうか?
今回の場では、いち早く2フーロしており、打点も分からないことから、当然、警戒されます。
特に、フーロ時の手出し牌と、その後の手出し牌の付近はマークされます。
マンズを引いて、を切れば、
の周辺は警戒され、アガリにくくなります。
そのため、テンパイ後はかなり早いテンポで切り、もうテンパイだから機械的にツモ切っているのだと思わせ、その中に高速手出しを混ぜることで、少しでも他家が手出しツモ切りを見えにくくすることが肝心なテクニックとなります。
具体的な方法
対局前に、「卓をダブルクリックでツモ切り」の設定をしておき、上の画像の白△の位置にマウスカーソルを置きます。
が来たら、すぐ下の
を音速でクリック、
それ以外の牌が来たら音速でダブルクリックします。
(7pと6pの空切りはこの時点では、無駄にテンパイ気配を強めるだけなので必要ありません。7mを切った後に引いた場合空切りします。)
このツモが見えるか見えないか、といったタイミングで、一瞬の躊躇もなく
をクリックします。
成功すると、天鳳の仕様上、ミスクリックのときのように高速で牌が捨てられ、手出しツモ切りが非常に見えにくくなります。
これくらいの緊張感で構えておかない限り、一瞬のためらいが生じてしまい、手出しツモ切りが見えにくいタイミングを逃し、失敗に終わります。
鳳東九段をも仕留める効果があります。
ここまでの説明を見て、「そんなセコイことやったって大して効果ねえだろ」と思われるかもしれません。
しかし、下の画像を見てください。
このように、鳳東に常駐する九段レベル(天鳳位に準ずるレベル)でさえ、放銃します。
このときの九段の手牌を見てみましょう。
なんと、テンパイしていないどころか、前巡の赤5mをみればわかるように、オリていることが分かります。
8mの放銃も、「前巡の赤5mが通ったことと、対面の5mを鳴いていないこと」から、通ると判断したものと思われます。
しかし、が手出しであることをしっかり見ていたら、
を切ることはありえません。
つまり、鳳東九段でさえ、が手出しであることに気付かず、
あるいは気付いても他家のことなど色々考えている一瞬の隙に起こったことに確信が持てず、
の手出し情報を信じられなかったということになります。
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どうでしょうか。鳳凰卓など詰まった場では、こんなちょっとしたことで勝負が決まっているのです。
このくらい小さなことに全神経を注げない限り、この場で勝ち抜くことはできないということです。