北家から早いリーチが入り、残り3人が引き気味に打っている局面です。
親への安全牌は、3m、678pの4枚あり、
前巡の3mの2連打からしても、3mを打ちそうなところですが、
ここでメンツ崩しで6pを打っています。
この打牌が最善かどうかはさておき、
この一手の意図を考えてみます。
まず、考えられるのは、4mが切りづらいので将来のケイテンなどのために
3mを一枚残して、678p落としを選択したという可能性。
そして、3mは場に3枚切れなので、自分がもう一つ切ると
1mがノーチャンスになってしまい、他家が1mを打ちやすくなり、
手が進んでしまったり、安牌が増えてしまう可能性があるため、
他家を制限するために678落としを選択したという可能性です。
さらに局面は進み、
その後の展開で、(プレイヤーの視点が変わっています。)
ここで5sをチーして聴牌を取りにいきたいところです。
ですが、鳴いて何を切るのか迷うところです。
いったん、打8sとして聴牌したら最後に6sを勝負するか?
ワンチャンスの1pを2枚落とすか?
このようなとき、仮に下家が3pを切ってくれていたら、
1pがノーチャンスになり、かなり楽な状況だったはずです。
下家が3pを切らなかったことで、聴牌が向かいにくくなったのです。
このように、ベタオリしか手段がないような状況でも、
他家から見えるワンチャンスやノーチャンスをコントロールすることで、
他家の手詰まり率や放縦率を高め、聴牌率を下げることが期待できます。
聴牌料の有無は、特に東風戦では致命的です。
下家がもしこの3pを切っていたら、
「聴牌料の差でラスを引いた」とか、
「聴牌料の差で追い詰められ、押すしかなくなり放銃してラスになった」
という状況が起こる可能性が思っているより高まるのです。
ベタオリのときでさえ、たった1牌の手順前後で勝敗が分かれることを意識しましょう。