麻雀の読み

実戦で効果の高い麻雀の読みを紹介

オーラス 接戦の攻防

オーラスの攻防。オリと押しの分水嶺

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全員が原点近くで迎えたオーラス。

ドラが5mと使いやすく、簡単に3900や5200が作れる場です。

上3人が振り込んだ場合には、ほぼラス落ち終了という緊張感のある状況となっています。

 

このようなオーラスは東風戦でよく出現します。

 

そのような状態でテンパイ。

打点は足りていますが役がありません。

出アガリするためにはリーチが必要。

ですが、対面と上家もテンパイ気配で、3900以上が濃厚。

振り込めばラス終了です。

 

「テンパッたし、リーチ!」でいいのでしょうか?

3着目でテンパイ、一見リーチがかなり有利そうですが、

念のため検証してみます。

 

条件を大雑把ですが次のように設定します。

 

リーチした場合、いずれか3人のめくり合いになる

アガリ率は3人とも等しく30%

残り10%は流局

アガリ決着のうち、ロンアガリが60%、ツモアガリが40%

誰かのアガリで30000点到達により終局

天鳳七段のポイント配分(60p、30p、0p、-90p)

この条件で計算した場合、

 

①トップの場合(着順+2)

+60p×30%(自家アガリ率) = +18p

②順位不動のパターン(※オリた場合と同じなので比較するために計算は不要)

③ラス落ちの場合

60%(他家アガリ率)×60%(ロン率)×50%(自分からロンする率) = 18%

-90p×18% = -16.2p

 

となり、わずかに期待獲得ポイントがプラスになるということが分かります。

この計算には、親がツモアガリしてラス落ち終了という条件がありませんでしたので、

実際はこれよりもさらに少し押し有利かと思われます。

 

 

ただ、ここで注目すべきは、「やっぱり押しが有利だった」ということではなく、

 

私たちの直感よりも、損得がかなり均衡しているという事実です。

 

この程度の有利不利は、状況によって簡単にひっくり返ります。

 

例えば、

テンパイ時に押す牌が危険牌だった場合

テンパイ宣言牌の南のキズ(⇒安牌手出しにマタギなし)がない場合

ドラが字牌や端牌で使いにくかったり、場に枯れていた場合

テンパイ気配が上家と下家ではなく、親だった場合

自分が2着目だった場合

他家が(九段や十段の強者で)高確率でオリる場合。

ポイント配分が八段以上の場合

 

 

 

頻出する上記のような局面で、おそらく有利不利はコロコロ入れ替わるでしょう。

 

リーチではなく、ダマが効く場合、

これに加えて毎巡引く牌の危険度と相談しながら判断していくことになります。

 

 

完全順位戦、特に天鳳ルールの場合、

今回のようなケースでさえ、押しとオリが均衡し、

思っている以上にオリ有利になることが多いのです。

 

 

このように、オリと攻めの分水嶺のような局面をたくさん記憶しておくと、

実戦の判断に役立つものと思います。