東風戦に多い、汚い仕掛けをしあう一戦です。
まずは下家のバラバラの手格好からのチーして打8p。
同巡、すかさず対面がその8pをチー。
2人の鳴きの影響で、まっすぐ手を進めにくくなりました。
相対速度を考慮して、前巡に通った打4p。
その後、対面が2pをチーして打発。
3枚切れの発なので、まだ大丈夫かな?という感じ。
その後、さらに上家も6mをチーして参戦。場は混沌となっていきます。
かなり苦しいですが、一番張っていそうな下家の現物から。
実際はまだ張っていませんでしたが・・
上家が手出しで4s切り。
これは下家と自分に対して強い牌です。
上家には3-6、5-8sを警戒しなくてはいけなくなりました。
56sと持っていても、上家下家どちらにも切れないので、鳴いて前進します。
対面から打1p、ついにピンズがあふれたように見え、さらに場の緊張が高まります。
ですが、実は対面もドラをつかんで迂回。
手を開けてみれば全員が苦しいのが分かります。
上家が3pを掴んで、4sで回りました。
これはちょっと変なトイツ落としなので、他家からも、回った可能性があるかな?と予想できます。
前巡の4sは危険な牌だったので、不本意な迂回だったのだと予想できます。
45sからの4s落としかな? というような予想です。
5s単騎の可能性などがあるため、油断はできません。
ドラの2mが切れないため、下家も聴牌を入れられません。
実際にはこちらのほうが苦しいのですが、下家からはもうマンズが打てないような仕掛けに見えています。
ピンズも打てないので相当苦しかったはずです。
上家の6sを見て、ピンズかドラを掴んで回ったものと確信。
強い6sですが、ラス目なので、安手でもこのくらい押すことは十分にありえます。
この巡目での不自然なターツ落としは、タンキ待ちかくっつき複合形の可能性大なので、それらに注意します。
下家も手詰まり気味。2枚切れの北も切りたくないはずですが、マンズはもっと切れないと判断したということです。
仕掛けが他家からどれだけ警戒されているかを物語っています。
下家が完全に追い詰められて、打6m。
これは上家と自家のどちらにも危険ですが、ピンズよりはマシ、
上家に6mの2度受けがないだろうという薄い読みで切ったと思われます。
疑心暗鬼の一局は、対面と上家のテンパイで終了となりました。
このような苦しい戦いの中で、
少しでも相手の手を止め、降ろし、
1000点や2000点を拾って大物手を蹴り、
あるいはテンパイ料をもぎとることがどれだけ難しく、価値があることか分かるかと思います。
東南戦や、赤なしや、面前チップ麻雀ではなかなかこのような展開にならないため、
スッキリ分かりやすい場になりやすく、こういった局面の重要性はあまり語られていないようです。
麻雀本に出てきそうな分かりやすい局面では正解を打てる人でも、
このような混沌が日常茶飯事の東風戦ではなかなか勝てない現象が起こります。
このような一局の巧拙が、鳳凰卓東風戦や、
新宿東風戦のような場での戦績を分けているような気がします。